自動車の修理をする際には、専門的な用語が多く出てきます。ここでは、修理に関連する板金塗装の用語を解説します。お客様が知っておくとお役に立つことがあれば幸いです。
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板金塗装の基本用語
自動車のボディー部分を作るために使われる金属板のことを指します。接触事故でボディーが凹んだり、傷ついたりした場合は、この板金を直す作業(板金修理)が必要となります。
ボディーの色を塗る作業のことを指します。板金修理後は、修理した部分の色を元の色に合わせるために塗装が行われます。
自動車の損傷を元の状態に戻す作業
自動車の修理にかかる費用を補償する保険
修理の費用や期間を算出する作業
板金の工程
修理箇所の汚れや錆を落とす作業
塗装前に油分や汚れを落とす作業
修理箇所の歪みを修正するために、鉄板を切断する作業
修理箇所の歪みを修正するために、鉄板を伸ばす作業
修理箇所の歪みを修正するために、鉄板を曲げる作業
修理箇所を繋ぐために、鉄板を溶接する作業
板金修理の際に凹みや歪みを補正するために使われる材料のことです。パテを塗り、乾燥させてから研磨することで、ボディーの表面を滑らかにします。
パテを塗った後や、クリア塗装後にボディーの表面を滑らかにするために行う作業のことです。紙ヤスリや電動ヤスリを使って行います。
塗装の工程
塗装の密着性を高めるために、修理箇所の表面を処理する作業
塗装の下地となる塗料を塗る作業
塗料の色やツヤを出すための塗料を塗る作業
塗料の表面を保護するための塗料を塗る作業
色塗装の上から透明の塗料を塗る作業のことを指します。クリア塗装をすることで、ボディーの色が長持ちし、光沢が出ます。
ゆず肌(オレンジピール)
ゆず肌とは、車の塗装面がオレンジの皮のような凹凸のある状態を指します。この状態は、塗装作業の技術不足や塗料の品質、塗装環境などによって引き起こされます。 ゆず肌は、車の見た目を損ねるだけでなく、塗装面の光沢を低下させ、車全体の印象を大きく影響します。そのため、ゆず肌を修正することは、車の見た目を美しく保つために重要です。 オレンジピールの修正には、研磨技術が必要です。
ぼかし塗装とは
ぼかし塗装とは、板金修理や塗装作業後、修理部分と既存の塗装面の境界が目立たないように、徐々に色を薄くする塗装技法のことを指します。 ぼかし塗装は、塗装面が一体化して見え、自然な仕上がりにするための重要な技法です。しかし、この技法は経験と技術を必要とします。 ぼかし塗装を行う際のポイントは、修理部分と既存の塗装面の色の一致と、塗装の段差をなくすことです。これらを適切に行うことで、修理部分が目立たず、車全体の見た目を美しく保つことが可能です。
色むらとは
塗装作業後に発生する可能性がある塗装の不均一な状態を指します。特に、一部分だけを修理して塗装した場合や、塗装の経験が少ない人が作業を行った場合に発生しやすいです。
色むらは、車の見た目に大きな影響を与え、見栄えを損なうため、適切な対処が必要です。色むらを防ぐためには、塗装作業を一貫して経験豊富なプロに任せること、適切な塗装方法を選ぶこと、または塗装前にしっかりと下地処理をすることが重要です。
また、色むらを発見した場合は、再度塗装作業を行うか、相談することをおすすめします。色むらの原因を特定し、最適な修正方法を提案します。
フレーム修正とは
損傷の中でも、事故等による大きな損傷により車体のフレーム(骨格)が歪んでしまったり ヘコんでしまった場合などにおこなわれます。最近の車は、衝突安全ボディーになっているため 運転者の命を守ることが第一となっており、運転席部分を強くし、衝撃をその他の部分で 吸収しようと段階的に弱く(やわらかく)作られています。
そのため、事故等にあうと歪んだり、曲がってしまったりボディは大きな損傷を受ける場合もあります。 フレーム修正をする場合は、フレーム修正機を使い、ボディ全体が動かないように固定し、 付属のタワーのチェーンで事故車のボディ変形部分を修復(引き出す)していきます。 まずは、歪んだ部分を計測して修復し、部品がしっかりと装着できるように修復します。
そして、 安全性、強度を十分に確保することはもちろん、剛性(ねじれ、ずれ に対する弾性)も考慮します。 例えば、走行中にカーブを曲がるときは車体は、よじれています。このように、ボディが よじれないとカーブを曲がりきることができません。 また、足回り関係のフレームの修正をしておかないと、〝まっすぐ走らない〟車になってしまいます。
このように、目に見えない部分での修理が非常に大切です。ボディを熟知した経験豊富なスタッフに修理してもらいましょう。
板金塗装の指数とは
修理に係わる作業時間を示したものです。株式会社自研センターが作成している損傷自動車の修理に係わる作業時間(細かい作業時間の内訳は、公開されておらず不明)を示したものです。
作業上のゆとり時間、部品や工具の準備時間等を合わせた作業時間です。
修理工賃の算定方法を合理的なものとするために、主要な国産車・輸入車の構造調査、修理作業の実態調査等を行い、復元修理作業の時間、作業上のゆとり時間、部品や工具の準備時間等を合わせた作業時間です。
指数作成の前提条件として車両は1~2年使用(2~3万キロ走行)、汚れ、錆付は軽度な車両であること。
工場設備は認証工場設備基準の機械設備の他、スポット・アーク・ガスの各溶接機、簡易ボデー修正機を有する一般的な整備工場であること。
内板骨格修正指数を使用できるのは4点固定で多方引きが可能な修正機を有する工場であること。作業者は実務経験3年程度の技能を持った者、補修塗装は実務経験5年または金属塗装技能検定2級程度を有する者であること。
部品はパーツカタログ記載部品で、原則としてメーカー出荷状態で損傷のない部品(ディラーオプション・社外品除く)であること。作業方法は安全で合理的且つ経済的な修理方法で、車両の機能、程度に応じた品質に配慮した作業方法であること。
また指数は4種類あり、「脱着・取替指数」は損傷部品等の脱着・取替作業の指数で車種別に作成されています。
「補修塗装指数」は外板パネルを中心とした塗装作業指数で車種別に作成されています。「外板板金修正指数」は外板パネルの板金修正作業の指数で車種共通で作成しています。
「内板骨格修正指数」は乗用車の骨格修正をフレーム修正機で復元した場合の骨格修正作業の指数で車種共通で作成しています。
高張力鋼板とは
ボディに使われているパネルは高張力鋼板が主流。
自動車業界では近年,地球温暖化問題への対策が求められており,特に燃費向上に伴う二酸化炭素排出量削減が急務である。その最も有効な手段が軽量化であり,薄くしても普通鋼板と同じ強度を得ることが可能な高張力鋼板が採用されています。
鋼材の肉厚を薄くしても従来の鋼材と同じかそれ以上の強度を保てるため、軽量化を図りやすく、運動性能や燃費の向上に大きく寄与します。
高張力鋼板の強度を上げると成形性が下がってしまうことが課題であったが,近年成形技術が進歩してきており,採用を促しています。外板パネルでは340MPa級,メンバーやピラーなどの構造部材では440~590MPa級の高張力鋼板の採用が進んでおり、バンパーや側突対応の補強材には980MPa以上の超高張力鋼板も使われております。
高機能塗装とは
よく聞くのは、トヨタのセルフストアリングコート(クリヤーの表面に傷が入りにくい)、日産のスクラッチシールド(傷が入っても自己修復して目立ち難くする特殊な機能を持たせている)、マツダのアクアテック塗装などですが、今では、国内メーカーのほとんどが高機能塗装と云われるクリヤーをいろんな車種に採用しています。
補修塗装で使用するクリヤーも専用クリヤーを使用するようになっています
メーカーにより違いはありますが補修塗装の準備作業の際に通常の2~3倍ほどの時間と研磨剤を使用します。
塗装ブース
自動車の塗装は、外気温にも左右されやすいデリケートな作業です。また、塗装中にチリなどのゴミが付着してしまうと仕上がりに大きな問題が生じます。
そのため、多くの修理工場では、塗装ブースを設置しています。(かなり高額な設備です)
塗装ブース内は、空気が上から下へと流れています。この空気はフィルターを通しているのでゴミやチリをシャットアウトして 作業ができます。 塗装後、ブース内の温度をあげて、そのまま乾燥させることができるものもあります。
ブースの中は仕上がりのためにも作業員の健康のためにも、最高の環境となっています。
塗装ブースは、大型の設備なので、ビニール製の簡易タイプも多く使用されていますがそれだとごみの付着など心配です。
フレーム修正機 4輪アライメント 乾燥機 塗装用スプレー 調色機
スポット溶接機 ハンマー/当て盤 /ハサミ
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